ネットで普及する音楽「マッシュアップ」は著作権の常識を変えるか

 前から気になっていたのだけど、OTO-NETAさんが取り上げていたいたので、それに対する反論的なものとして書いてみる。

 DJやミックス、サンプリングという概念が新しい音楽スタイルを作り出すのに大きな役割を担っているのは十分承知した上で、それでもあえて断言するけれど、マッシュアップみたいなものは「クリエイション(creation)」ではなく、「エクスプロイテーション(exploitation)」でしかない。もちろん、エクスプロイテーションでありながら、アートとして成立するだけのクォリティーを持った作品が存在することは否定しないけれど、それは別の話。

 優秀なDJがアーティストであると解釈できる所以は、カッコイイ曲を知っていてそれをターンテーブルでかけるからではなく、その場にいる人達を気持ちよくエンターテインできる才能を持っているから。でも、そのDJが選曲したものをミックステープやCDにして商品とするのは、ただのエクスプロイテーション

 アンダーグラウンドな遊びとしてのマッシュアップは個人的にも大いに興味あるけど、それを著作権の常識を変える手段と考えるのは、極端な話、無差別テロでも理にかなっていれば許されるという思考と同じように見えてしまう。