6月2日の衆議院文部科学委員会

 昨日に引き続き、facethemusicさんのblogにまとめられた各種情報を参考にしながらビデオを見る。

 予想以上に鋭い質疑の応酬で、文化庁側はまったく反論できないまま暗に非を認める状況だったにもかかわらず、法案は無事可決するという、スジの通らない展開だった。こういう形で「決まりましたから」と言われて、「はいそうですか」と納得できる国民はほとんどいないだろう…。

 極端な言い方をすれば、音楽が人の命を直接左右することはないのだから、これでも良いのかもしれない(実際にオレが良いと思っている訳じゃない)。しかし、実際に人の命を左右するようなもの(たとえば食品や医薬品など)に関しても、どこかの企業や団体の利益だけを優先した形で法律が決められている可能性があるとしたら、かなり背筋が寒くなる話だ。素朴な疑問として、「政治って、世界中こんなものなの?」というのはある。

 さらに、世論を伝えるパワーがあると信じられていた新聞などもオールマイティーじゃないことがよく判った。今回の件では、裏に「再販」という紙メディアがタブーとする事情が絡んでいたため、非常に歯切れの悪い扱いが多かった。まともに現状を伝え続けてくれたのは、IT専門Webサイトの「ITmedia」だけと言える。結局は、マスメディアも単なる収益を目指す企業の1つでしかないという前提を認識しておく必要がある。とにかく、ネットに溢れる情報も含め、そこにあるすべてを鵜呑みにするのじゃなくて、自分で考え取捨選択していくことが大切。

 今回の一連の出来事で非常にポジティブに感じたのは、常識ある人達がネットのような新しいメディアを使って、各人のスタンスを保ちながら、ちゃんと政治的なパワーを発揮できたこと。藤川毅氏が「Dubbrock's Dublog」でコメントしたことをそのまま以下に引用します:

この改正に違和感を感じた人たちが、ネットを中心に自発的な分業システム構築してひとつの力にしてこれたのって、これからの政治にとっての驚異にもなりうる。僕ら音楽メディア関係者は、今回の問題を世の中に知らしめる一部分を担ったし我々なりに知識を生かして矛盾点をいぶり出すこともできた。ネット上の人がそれぞれに自分の持ち味発揮してGJ!グッジョブしてたでしょ。

国民の政治との関わりとして、投票行動のみがクローズアップされるけれど、今回の政治への関わり方って今後の可能性を残したと思う。メールしたり、ファックスしたりするのってベタな行為だけど今回はかなりの影響を与えたよね。

 とりあえず、オレは相変わらずCCCDに反対していくし、著作権改正に関しても何がどうなっていくのかを注視していくつもり。