iPodに未来は無いと思う(少なくとも日本においては)

 遠い昔、家庭用ビデオデッキ向けフォーマットの王座をめぐってβとVHSが争った訳だけど、結果は、エロビデオを導入した コンテンツで優れたVHSが勝利した。

 で、同じような覇権争いは、PCのコンテンツ配信向けフォーマットでも起きている。今のところ、欧米を中心に見た世界レベルで考えると、ビデオにも対応した「iTunesiPodiTMS」の組み合わせが圧倒的に有利なんだけど、こと日本に限っていえば、その組み合わせの肝となるべき「iTMS」のカタログが貧弱すぎて、全くお話にならない状況。

 そんな時に、WMT(Windows Media Technology)をコアにした、コンテンツ配信アライアンスが矢継ぎ早かつ大々的に発表されており、この辺りの動きから次に予測される事態は、「若旦那の独り言」さんの6月2日付けエントリー「MusicDrop終了?」がかなり示唆に富んでいると思う。

 結局、使い勝手の良さよりも、どれだけメジャーなコンテンツを揃えるかが、この勝負のカギになるはずだから、MoraのWMT化はかなりのインパクトがある。

 すでにエロサイトの多くがWMV形式を採用している事実や、JASRACの発表したポッドキャスティング向け楽曲使用料で時限DRM付きコンテンツを有利にするという事実上のWMA優遇策も考えれば、もはや日本でAppleのコンテンツ配信システムが「終わった」感は拭えない。

 こういう状況に対して、Apple(と言うよりはジョブズだろうけど)が特に日本マーケットを考慮した施策を打ち出してくるかと言えば、今までの歴史的事実を振り返れば、そんな可能性はほとんど無いはず。

 さて、iPodの内蔵バッテリーが消耗するのはおそらく1年半から2年ぐらいだろうから、今のブームで買われたiPodの次回買い換え時期はおそらく来年の夏ぐらいだろうか? その時期までにWMT陣営がしっかりした配信システムを構築すれば、おそらく日本からiPodが淘汰されることはまず間違いないと思う。

 で、オレ自身がそういう状況に対してどうするかというと、マカーを辞めることはまずないと思うので、遅ればせながらフルビデオ対応iPodとかを買ったりして、「やっぱり全然使えね〜」とか愚痴をこぼしてるのかも(笑)。