音楽配信ビジネスの売上は2009年に17億ドルを達成するがCDの替わりにはならない

 アメリカの調査会社JupiterResearchによるレポートで、原題は「JUPITERRESEARCH FORECASTS DIGITAL MUSIC SALES WILL HIT $1.7 BILLION IN 2009, BUT WON'T REPLACE CDs」。抄訳はITmediaの速報にあるけど、一番面白い考察の部分が端折られているので、以下に引用する:

Over time, revenues for digital subscription services will outpace those of digital download, which will remain a market for potential buyers to sample music before purchasing the actual CD in the near-term. "The so-called celestial jukebox is in sight," said JupiterResearch VP and Senior Analyst David Card, "But for now, it will appeal to music aficionados.

 アナリストによれば、長期的な展望としては、ダウンロード販売じゃなくて、家庭内ジュークボックス的なサブスクリプションサービスが有望だとしてるんだよね。現在ダウンロード販売が活況を呈しているのは、一部の音楽マニアのおかげだそうだ。

 う〜ん、この分析の在り方は、サブスクリプションサービスをベースに展開しようとしているマイクロソフトの音楽サービス(年内開始予定)を正当化するためのものっぽいなぁ。そういう意味では、日本語訳が端折られていても大勢に影響なしってところなのかも(笑)。

 日本の場合、昔から有線放送というサブスクリプションサービスが法人向けにあって、それを個人ユーザー向けにも色々とマーケティングしたんだけど、結果的にはそういう形で普及することがなかった。CATVも当初は同じように普及しないと思われたけど、こっちは普及した。サービスを提供しようとする企業は、そのあたりの違いを色々と検討する必要があるとは思うな。

 個人的には、無料のインターネットラジオとダウンロードサービス、パッケージ(CD等)の通販が全部ひとまとめに連携して動いてくれるシステムがウレシイ。シングル的な聴き方をする音源は圧縮された配信データでかまわないけど、本当に気に入った作品は圧縮されていない一番良い音で聴きたいから。

 さらに、JupiterResearchのレポートから日本語抄訳では端折られている部分を引用:

"A lot of the action in hard drive-based devices will be at the low end in terms of price and capacity that will help drive the market," stated JupiterResearch VP and Research Director Michael Gartenberg. "JupiterResearch surveys show that 77% of consumers who would purchase a portable music player would want no more than 1,000 songs on a player at any given time, regardless of the size of their music collection," added Gartenberg.

 こちらの部分は、iPod Miniが売れた要因を述べている感じだね。実際、大容量HDを搭載したiPodのハイエンドモデルは、Miniに比べると売れ行きがイマイチらしい。ただ、あれは、大容量HDに自分のコレクションを全部入れて持ち歩いて使ってみないと、そのメリットを理解できない部分があるから今後流れが変わる可能性はあると思う。自分ではiPod持ってないけど、友人のiPodを借りて使ってみた時の衝撃はちょっと凄かった。Walkmanではじめて野外で音楽聴いた時に感じたのと同レベルな次元の衝撃度で、音楽の聴き方が大きく変わるだろうと思ったもの。