やはり本能寺は洋楽CDの並行輸入にあったのか?

 弁護士の小倉さんが「レコード輸入権の条文案の検討」を書いてますが、これを読むと、かなり暗い気持ちになります。

 セールスの浮き沈みが激しい邦楽アーティスト作品に比べ、コアなユーザーがいるため必ず一定量が売れる洋楽作品は、レコードを売るのが難しい時代になった今、日本の大手レコード会社にとってその売り上げを確保するための最後の砦だということなのでしょう。事情は理解できなくもないけど、やり方がセコイし、結局はユーザーがさらに離れていくという、結果的には自分の首を絞めるようなことをやってるね。

 しかし、だとすると、ちょっと期待していたAppleiTunes Music Storeの日本における展開もかなり難しいことになるのかもしれない。なぜなら、あのシステムは基本的にオリジナル音源を持つレーベルからの直販形態だろうから、洋楽の場合、日本のライセンシー(=レコード会社)には一銭も入らない可能性が高く、そんなものが横行するとレコード輸入権を苦労して作った意味がなくなるからだ。当然、面白くないので、そういう動きは阻止するでしょう…。

 それにしても、政府は、企業や一部団体が持つ既得権保護には熱心でも、洋楽ユーザー(=消費者)にとっての既得権(=輸入盤)は保証してくれないわけで、なんともはや言葉がないよ…。