さて、ここまで来て思ったことが一つ。洋楽を聴いている音楽ファンの数って、邦楽だけを聞いている音楽ファンの数に比べて圧倒的に少ないよね。そんな邦楽だけを聞いているマジョリティーの人達って、実は今起きている著作権法改正(レコード輸入権)の問題なんてまったく気にしていないだろうし、中には、自分たちの好きな音楽ソフトを出してくれている会社をいじめる洋楽ファンは敵ぐらいに思っている人もいるかもしれない。

 で、ここから話は飛躍するけど(笑)、もしオレがレコード協会の会長クラスだったなら、ミリオンセラー連発クラスの大物アーティストを動員して、テレビ等で「音楽を守るため、著作権法改正を応援してください」みたいなキャンペーンを展開するはずなんだけど、なぜそういうことをやらないのかな?少なくともアジアからの環流盤で被害を被るであろうタイプのアーティストなら協力は惜しまないはずだし、圧倒的に大多数の邦楽ファンを味方にすれば、メディアでの世論操作なんて簡単で、法案改正もスムーズにできそうだ。

 ま、オレはそうして欲しいと思っているわけじゃなく、逆にそんなことが起きないようにと切実に願っている訳だけど…。なんか徹底してないので不思議なんだよね。


衆議院ビデオライブラリを観る

 結局、午前3時過ぎから川内博史議員による答弁だけだがビデオを観る。これは必見もの。川内氏が「今、この放送を何十万人、いや100万人の音楽ファンが観ているのです」と語ったときには素直に感動してしまった。(それと同時に、こういう人を敵に回すと恐ろしいなとも思ったけどね…。)

 今回のレコード輸入権を持ち出した首謀者達が、昔の武士と同じプライドを持ちあわせていれば、この答弁だけで恥ずかしくて切腹したくなるような展開だったけど、もちろん彼らはそんなプライドを持ってはいないだろう。それに、文化庁の役人が「21世紀のロックンロール・スインドル」という表現は格好良すぎたなと反省。マルコム・マクラーレンに失礼でした(笑)。


文化庁のお役人は21世紀のロックンロール・スインドルだった

 昨日の衆議院における文部科学委員会は、昼間に某掲示板の実況スレをチラッとのぞいて、その片鱗だけを知れたのだけど、かなりスゴイことになっていたようだ。その後の情報は、今回もfacethemusicさんのblogを参考にさせてもらいました。ありがとうございます。

 それにしても、法案改正への大きな根拠であった「世界65カ国で施行されている輸入権」や「68万枚の環流盤CD」という話が、実は詐欺同然なデタラメだったというから呆れてしまう。マルコム・マクラーレンもビックリだ(笑)。しかも、ここまで暴露されながら、なお文化庁は開き直って法案改正を強行に主張しているそうだからすごい。もしかすると、これからのきびしい時代を生き抜くためには、この諦めの悪さと厚顔無恥ぶりをオレも見習わないといけないのかもしれない…。

 ところで、CCCDが日本へ紹介された当初、著作権保護を実現可能な期待の新技術ということで、採用を促進するために何らかの優遇措置(=助成金?)が施された(今も継続中?)という話を聞いたことがある。その裏をとるため、半年ぐらい前にGoogleで検索したら、1件だけそういう話を書いたページがヒットしたのだけど、改めて検索をかけたらまったく見つからない。しかも、自分で一体何をキーワードにして見つけたのかも覚えていない。あのときブックマークするなり、ページをまるまるコピーするなりすれば良かったと後悔することしきり。なぜ、今さらそんなものを探しているかというと、一体どこからCCCDへの優遇措置を提供するための資金が発生しているかを知りたいから。そして、それはないと思うけど、もし税金で賄われているのなら、政治的にCCCD反対運動を展開できるかなと思ったんだよね。

 そういう思考が出来るようになっただけでも、今回のレコード輸入権問題は良い勉強になりました、ハイ。